総義歯セミナー

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     先日、東京で総入れ歯(総義歯)についてのセミナーに参加しました。

     我が国は超高齢社会を迎えて、人口の4人に1人が高齢者となっています。先進諸国の高齢化のスピードを比較すると、高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)が7%を超えてから14%に達するまでに要した年数は、フランスが115年、スウェーデンが85年、イギリスが47年、ドイツが40年であるのに対して、日本は24年であることからも、日本が世界に類を見ない速度で高齢化が進行していることがわかります。

     このように高齢者人口は増えていますが、いろいろな取り組みの成果などもあって、実は総義歯の患者さんの数は減少しています。ですが、現在も80歳代の58%、85歳以上では64%の方は総義歯を使用しておられます。
     あごの骨が比較的やせずに残っている場合は、通常の方法でも十分安定した総義歯を作ることができます。しかし、最近の傾向として、下あごの前歯だけ残っていて、噛むときにこれが上の総義歯を突き上げて、噛み合わせが安定しづらいケースや、あごの骨の吸収が進行して細くやせてしまうことにより総義歯が安定しにくいケースなども増えています。それでもインプラントを応用することでこのようなケースでも安定した義歯を作製することは可能ですが、すべての患者さんがインプラントによる治療が可能ではありませんし、現実には多くの患者さんが通常の取り外しの義歯を使用しておられます。
     上記のような難症例に対する種々の対応について、とても勉強になりました。

     また、残っている歯が少ないにもかかわらず義歯を使用しないと認知症発症のリスクが高くなるのに対して、適切な義歯を使用することによって認知症発症のリスクを抑えることを示す調査結果も報告されています(左図)。
    少数の歯だけで義歯も使用せずにいると、噛むことの刺激が十分脳に伝わらないのに対して、きちんと義歯を使用することで、しっかり噛んであごやその周辺の筋肉の働きが活発になり、脳への血行もよくなって認知症予防が期待できます。
     進む高齢化の中で膨らむ一方の国民医療費を少しでも軽減するためにも、健康寿命の延伸を図り、活力ある超高齢社会を築いていくことが求められています。そこで果たすべき歯科の役割は小さいものではなく、より多くの歯の保存を図り、不幸にも歯を失ったとしても適切な義歯等によって機能を回復することにより、種々の疾患の予防にもつながると考えられています。

     

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